2012年6月17日日曜日

「お日待ち灯籠立て」10年ぶりに復活へ 宮代町・蓮谷稲荷神社

宮代町蓮谷稲荷神社で古くから行なわれていた豊作のお礼の伝統行事「お日待ち」が約10年ぶりに復活することとなった。


お日待ちとは、「近隣の仲間が集まって特定の日に徹夜してこもり明かし、日の出を拝む行事。正月・5月・9月などに行われ、しだいに酒宴を伴うようになった」(デジタル大辞泉)行事で全国各地で行なわれていた(現在も続けられているところは多くない)。


埼玉県宮代町の蓮谷稲荷神社では毎年10月18日の夜行なわれ、「お日待ち灯籠立て」として、10年ほど前までは、蓮谷稲荷神社の氏子(15軒)の前に、若者たちが灯篭を立てて飾り、日暮れからその灯篭に火を入れ、その灯りのなかを、それら灯篭を見ながら蓮谷稲荷神社に向かい、豊作のお礼と無病息災・家内安全等のお参りをした。


その道すがら、小さな子どもに「かわいいね」とお菓子などを渡す。その、お菓子が子どもたちにとっては何よりのプレゼントで、笑みにあふれた行事であった。


大人たちは、翌日のお日様を待つため、酒食や余興に興じ、楽しい一晩を寝ずに過ごした。


現在では、そうした地域の行事も消滅し、わずかに氏子たちが集まって、形ばかりの祭礼を行なうのみとなっていた。


3.11の東日本大震災をを契機として地域コミュニティの大切さ地域のつながりが痛感されている中で、こうした行事を復活させようと、宮代町商工会青年部が立ち上がり、約10年ぶりに「お日待ち」を再現し、子どもたちに地域の絆と交流の楽しさを感じてもらおうと、復活を計画した。


17日行なわれた、「はなみやしろ」(前項紹介)活動のなかで、子どもたちに、「お日待ち灯籠立て」用の灯篭を作ってもらい、飾り付けの準備を行なった。


灯篭の絵柄には「はなみやしろ」にちなんで、花の絵を描いてもらい、それを灯篭として作った。


なお、復活する「お日待ち灯籠立て」は10月18日に近い土日いずれかに実施する予定で、灯篭を作ってくれた子どもたちには招待状を発送する予定。